2021春(vol.38) 〜ヒレアシ語を話せる素質〜
エンディング
楽しい時間はあっという間。芦刈さんが「時間が全然足りないです!」と語ったように、まだまだ聞きたい話が沢山あったのですが、今回はここまで。3人がそれぞれ締めの挨拶を行いました。
芦刈さん
「僕の中に一つ凄い思い出があるんです。伊勢シーパラダイスで飼育下最後のミナミゾウアザラシが亡くなった時、私、泣いたんです。自分の勤める水族館の動物が死んでも泣かなかったのに伊勢シーのミナゾウが亡くなった時は泣いたんですよ。なぜ泣いたのか? その理由はやっぱり ”魅力” です。魅力のあるスタッフが気持ちを込めて育ている動物は同じように魅力的で、その魅力が僕にも伝わっていたからこそ亡くなったと聞いた時に凄く悲しい気持ちになったのかな…と。田村君はそういう魅力を持ったトレーナーです。今日は田村君と一緒にステージに上がれて嬉しかったし、彼がいるから私はこの業界に残っていられるのかなって思っています。」
田村館長
「芦刈さんは広い知見を持っていらっしゃるので、普段から色々相談に乗ってもらったり、こちらこそいつも助けてもらっています。僕は動物園や水族館が生き物を飼育するのは、できるだけ沢山の人に見てもらうため、接してもらうためだと思っています。そうでないと飼育している意味、展示している意味がない。伊勢シーパラダイスは昔から ”ふれあい” をコンセプトに動物たちの魅力をお客様に伝えようと頑張っています。他の園館さんもそれぞれのコンセプトを掲げて一生懸命展示を行っています。なので、皆さんには是非、色々な動物園や水族館に足を運んでもらえたらと思います。今日はありがとうございました!
中村さん
「僕は伊勢シーの展示を ”ふれあい” ではなく あえて ”柵なし展示” と呼んでいます。残念なことに伊勢シーの真似をした水族館の方が話題になったりお客さんを集めたりしている。しかも、それらの水族館は ”ふれあい” ばかりをPRしている。伊勢シーの ”柵なし展示” の本質は ”動物たちが自然にふるまっている場所がそこにある” ことだと思うんです。伊勢シーの海獣たちには凄い自由があるんです。伊勢シーの海獣とトレーナーの間には社会があって凄く愛があるんです。…という話が広まってほしいなぁと思います。そうなれば伊勢シーだけの本当の強みが出てくるし、田村館長が言っていたように伊勢シーの生き物がたくさんのお客さんに見てもらえる。そして動物たちの魅力が伝わるだけでなく、実はトレーナーの人たちもすごく魅力なんだということがもっともっと知られていくと思います。なので、皆さん、拡散よろしくお願いします!」
コロナがなければ終演後は大盛り上がりの ”公開打ち上げ” なのですが……、今は我慢です(涙)。
次回予告 ~ 水族館の将来は!?
次回の『超水族館ナイト』は 6/20(日)の開催です(リアル、配信ともチケット発売中)。トークテーマは『水族館の明日はどっちだ!』、ゲストは4月に館長に就任したばりの新江ノ島水族館の 崎山直夫 さんに決定! 新江ノ島水族館はといえば、中村さんが水族館プロデューサーとして独立して最初に手掛けた水族館。崎山さんは「当時若手スタッフとして凄く頑張ってくれた(中村さん)」のだとか。
2021年は年明けからファンに馴染み深い老舗水族館の閉館を知らせるニュースが相次ぎ、うち1つは中村さんがリニューアル計画を進めていた水族館でもありました。長引くコロナ禍で日本の水族館の未来がどうなってしまうのか、心がザワついている水族館ファンの方も多いのではないでしょうか。苦難の時期に館長になった崎山さんと中村さんが水族館の将来を本気で語る一夜、気になりますよね? リアルで会える方はリアルで、参加が難しい方はツイキャスプレミア配信で、是非一緒に盛り上がりましょう!
(写真&文:須釜浩介)