2020夏(vol.36) 〜マケルナ!こんな夏こそ水族館!〜
※この記事はイベント会場の ”東京カルチャーカルチャー” のWebサイトに掲載されていた
公式ライブレポートを一部修正の上、転載したものになります。
カルカル屈指の人気イベントである水族館プロデューサー・中村元さんによる『超水族館ナイト』ですが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、開催2ヶ月前の4月、本来ならトークテーマやスペシャルゲストなどイベントの詳細が告知されるはずのタイミングで、一度は「中止」がアナウンスされました。毎回超満員で、しかも全国各地から水族館ファンはもちろん、現場の飼育係や水族館への就職を目指す学生さん達も中村イズムを学びに集うなど、”三密” 不可避のイベントゆえ致し方のない判断でした。
…が、緊急事態宣言が解除され、カルカルも少しずつイベントを再開していく中で、「こんな時だからこそみんなが元気になれるものを届けよう」と、急遽、無観客でのオンライン開催(ツイキャス有料配信)という形での開催が決定! 中村さんがパワーを届けてくれました。トークテーマもストレートに、
”マケルナ!こんな夏こそ水族館!”
中村さんの筆頭門下生でもある 蒲郡市立竹島水族館・小林龍二館長 もリモートゲストとして参戦! 配信を大いに盛り上げてくれました。では、現場の様子も含めてレポートします。
まずはコチラの光景から。
『超水族館ナイト』といえば ”打ち合わせ10秒&リハーサルなし” というぶっつけ本番スタイルが売りですが、さすがに今回は初のオンライン開催ということで、事前に沢山の確認事項があり、ステージリハというレアな光景が見られました。
…と言っても、トーク部分に関してはゲストの呼び込みタイミングなど時間配分の申し合わせ程度で、いつもの出たとこ勝負のライブ感はそのまま。視聴者からも「リアルと変わらない雰囲気で伝わってます」とのコメントも寄せられたようにオンラインでも十分臨場感が伝わったのではないでしょうか。
でも、いざ配信が始まれば…、
中村さん
「(お客さんがいる体で)いつもの来てくれている皆さんもいらっしゃいますね! あっ、(常連の)ペンギン夫婦さんも! いつもありがとうございます。今日もお似合いのペンギンのネクタイで!」
テリーP(司会進行)
「しーーーん…。」
中村さん
「あはは(笑)。しかもイスがいつもよりだいぶ少なくない?」
テリーP
「コロナ仕様でテーブルをどかして、イスも間引いています。」
ちょっとだけ話が逸れますが、カルカルではリアルイベントも予防対策を徹底した上で6月中旬から再開しています。イスの配置も見ての通りソーシャルディスタンを十分に確保し ”ノー三密” を守って運営されていますので、もしスケジュールページに気になるリアルイベントを見つけた方はぜひご来場ください。
出演者紹介
◆ 中村元
(水族館婦プロデューサー)
三重県出身。成城大学を卒業後、鳥羽水族館に入社。アシカトレーナー、企画室長を経て副館長となる。2002年に日本で唯一人の水族館婦プロデューサーとして独立。新江ノ島水族館、サンシャイン水族館、北の大地の水族館(山の水族館)などの展示リニューアルやマリホ水族館などの新設を手掛け、いずれも大成功に導いてきた。2008年より東京カルチャーカルチャーにて『中村元の超水族館ナイト』を開催。抱腹絶倒の中村節の中にも “明日から人生に豊かにするヒント” が鏤められたトークが大人気。
◆ テリー植田
(司会進行/東京カルチャーカルチャー・プロデューサー)
2008年に水族館カルチャーをテーマにしたトークイベントを企画提案し中村さんにオファー。超水族館をカルカル屈指の人気ベントとして進化させてきた。奈良県桜井市にある実家は三輪そうめんの製麺所で、夏場を中心に ”そうめん研究家・ソーメン二郎” としても活躍中。
恒例の乾杯から!
中村さん
「全国のオンラインの皆さんと心を合わせて乾杯したいと思います。サン・ニ・イチ・ゼロ…乾杯ー!!」
オープニングトーク
テリーP
「カルカルは2月末から約4ヶ月間、コロナの影響でイベントが止まっていましたが、6月中旬から少しずつ動き始めています。中村さんはどんなでした?」
中村さん
「メッチャ元気!皆さんお元気でした?むしろそっちが心配です。」
テリーP
「確かにものすごく顔色いいですよね?そういえばいつも楽屋で飲んでいるユンケルも今日は見ていないです。」
中村さん
「ああ~、忘れとったぁ。(笑)」
聞けばこのコロナ騒動の最中、中村さんのもとに新しい展示プロデュース案件が2件ほど舞い込んでいるそうで、そのプレゼン資料や契約書の作成もステイホームで「メチャ捗った!(中村さん)」のだとか。
中村さん
「それと改めて思ったのが俺って引っ込み思案だったんだなぁと。」
テリーP
「ええっ…!?」
中村さんといえばリーダーシップがあって、コミュニティを回すのも巧み。息もつかせぬマシンガントークで場を盛り上げてくれるので、引っ込み思案とは真逆のイメージがあるのですが、
中村さん
「いや、もともと一人でいるのがすごく好きなんです。高校の時に謹慎2回受けて全然人と会わなかったときも凄く楽しかった思い出があったんよ。」
謹慎2回って…なにをしてかしたんだろう…(汗)。
決して人とのコミュニケーションが嫌いということではなく、中村さんにとって一人で思索に耽る時間が持てることは非常に大切で有り難いことなのだとか。
中村さん
「ネットで調べたりとかしないで一人自分の頭だけで色々なことをじっくり考える。そうすると自分の中で何かが変わっていく感じがするのね。 このステイホームの時間のおかげで、自分をすごく見つめ直せたなという気がしています。」
なるほど。そんなこんなで心身とも充実感に満ち溢れた中村さんでした。
中村さん
「あ、でも一つだけコロナの影響で心配なことがあった! 以前の超水族館ナイトにゲストで来てもらった辺境取材コーディネーターの斎藤美香子さんのガイドで12月にフォークランドに行って鰭脚類やペンギンの生態を見てこようと思っていたのね。」
テリーP
「それは新しいプロジェクトに向けての…?」
中村さん
「うん。アイデアは色々浮かぶのだけれどそれが現実にあり得ることなのかの確証を得たいのよね。それと、元気なうちに(観光レベルではなく)本当の野生の姿を見ておきたかった。だけど、冬、どうなるんやろうなぁ?」
とにかくコロナの終息を願うばかりです。
<next: 緊急事態宣言。その時、水族館は…!?>