2020夏(vol.36) 〜マケルナ!こんな夏こそ水族館!〜
たけすい館長がリモート出演
さて、ここからは遠隔ゲストトークです。
「弱点を進化の武器とする」手法で数々の水族館を生まれ変わらせてきた中村さんを人生の師と仰ぎ、自らも「古い・汚い・金はなし」という(中村さんには『ショボ水』とまで呼ばれていた)弱小水族館を独創的なアイデアで大人気の水族館へと生まれ変わらせた ”生ける伝説” =蒲郡市立竹島水族館・小林龍二館長 が登場!(と言ってもリモートですが)
◆ 小林龍二 館長(from たけすい)
愛知県蒲郡市出身。北里大学卒業後、Uターン就職で竹島水族館に勤め、2015年より館長。限られた予算の中でも様々な改革を推進し、一時は12万人まで落ち込んでいた入館者を47万人へとV字回復させた。カルカル出演は『中村元の超水族館ナイト2013・夏 ちいさな水族館の爆発力(vol.15)』以来7年ぶり。(2016年にはたけすい60周年記念として蒲郡市内で開催された「中村元の超たけすいナイト」にも出演)
テリーP
「たけすいは今どんな感じなんですか?」
小林館長
「5月25日に再開しまして、入場規制をしながらお客さんを入れています。」
中村さん
「残念だったね。せっかく入館者がドンドン伸びていたのに。」
小林館長
「(愛知県独自の緊急事態宣言が発令された翌日の)4月11日から休館したんですけど、もうそのだいぶ前から自粛でお客さんが少なくて…。」
実は中村さんの視察(フォークランド)に同行する予定だったらしいのですが、
小林館長
「総務にコロナでお金に余裕なくなったからダメと言われてしまいました。行きたかったんですけど…。」
中村さん
「でも休館中、たけすいは物販がメチャ売れたらしいね?」
小林
「ゴールデンウィークにお客さんが沢山来てくれる前提でいっぱい仕入れたら休館になっちゃって。賞味期限が切れちゃうんですよ。Facebookとかで『助けてください』と呼びかけたらみんな買ってくれて全部売り切れました。本当に有難かったです。」
メダカ愛好家でも知られる小林館長。「お家で水族館チャレンジ」と題してテイクアウトを主にメダカの販売も行ったそうで、こちらも非常に好評だったとか。
そして、新しい展示の構想も…!?
小林館長
「ウチの水族館はずっとダメだったんですけど、ダメな時にこそ色々アイデアが浮かんできたり、水槽展示を思いついたりして、それを実行してきたんですね。コロナでお客さんが減って蓄えもどんどん減っている『今』って逆にチャンスなんじゃないかと。ちょっと癒やされないけれど人気のある生き物を使って水槽を作ろうと思ってます。中村イズムを受け継いでますので、うまくできればいいなぁ…と。」
新しい水槽のヒントは「一反木綿(いったんもめん)系」だそうです。
◆ 中村さんも絶賛!小林館長の新著が刊行
さて、小林館長、たけすい大復活の苦労話を本に綴ったそうで、7月上旬に発売となっています。
『驚愕!竹島水族館ドタバタ復活記』
竹島水族館館長 小林龍二・著/風媒社
風媒社発行の竹島水族館の本としては 「竹島水族館の本」 に続く2冊目。前作は竹島水族館の概要や見所、珍しい深海生物などを紹介する ”たけすいガイド本” でしたが、今回は小林館長が初めて一人で書き上げたもので、経営やビジネス手法に軸足を置き、全くダメだったたけすいだからこそできたことを語ってくれています。
中村さん
「下手な自己啓発本やハウツー本読むぐらいならこの本を読んだ方がイイ!メチャおもろいよ!水族館の復活記だから(世間一般の人が)そのまま真似しようとしても無理や。でも、読んでピーンと来るものが必ずあるはず。それを拾って自分なりに落とし込めばいい。ぜひ読んでください! 読めば分かる!」
本の冒頭には小林館長の心の支えにしているという中村さんの言葉も載っています。
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折れた花には誰もが目を背ける
折れそうな花でもふんばっていれば
いろんなひとや運命が手を差し伸べてくれる
水族館プロデューサー・中村元
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中村さん
「俺、そんなこと言ったっけなぁ?(笑)」
小林館長
「言いましたよ!(笑) 中村さんにメールでも貰ったのをスクショして大事にとってありますから!」
中村さん
「彼もさぁ、時々弱音を吐いて俺に相談してきたりするワケよ。」
小林館長
「ちょっ…!内緒ですよ、内緒!!」
中村さん
「あはは。だけど弱音を吐きながらでも彼は『僕はこうしようと思っているんです』って言ってくるです。だから、おお、それはいいぞ!と背中を押す言葉を送り返してあげているのね。」
テリーP
「やさしい師弟愛ですねぇ。」
コロナ禍で気持ちが折れそうになっている人もいるかもしれませんが、中村さんの言葉の通り “折れずにふんばって”、”リアル” 超水族館ナイトでみんなでまた楽しく盛り上がりましょう。
まとめ
新型コロナウィルス感染拡大の影響で ”無観客&有料配信” という超水族館ナイト史上初の試みとなりましたが、オンラインでもいつもの雰囲気で盛り上がれたと思います。
次回開催は 2020年10月18日(日)の予定。リアルイベントとしての開催を目指してはいるものの、コロナ感染状況やそれに伴う社会情勢に踏まえての判断となるかと思いますので、カルカルのスケジュールページや中村さんのSNS発信などでご確認ください。
おまけ
本文でも触れたように前回の『超水族館ナイト・春』で紹介された中村さんプロデュースの サンシャイン水族館・新クラゲ展示エリア『海月空感』 が2ヶ月以上遅れたものの7月9日にオープンしています(祝!)。私も見てきましたが素晴らしい癒し空間でした。
~ マケルナ!こんな夏こそ水族館! ~
なかなか気軽にお出かけとはいかない状況が続ていますが、お近くの方、行ける方は是非! 閉館間際が空いていておススメです。
(文&写真:須釜浩介)