水族館プロデューサー 中村 元水族館プロデューサー 中村 元

イベントレポート

2020秋(vol.37)〜人はなぜ水族館に向かうのか〜

2-3 水族館巡りの思い出と言えば…?

移動は全て ”公共交通機関+徒歩+レンタサイクル(どうしようもない時はタクシーも)” というめnちさんはやはり辿り着くのに苦労した水族館の思い出が強く残っている様子。かすみがうら市水族館は公式HPに案内されているアクセス方法(当時)が「駅からバス30分→バス停から徒歩50分」という車無しでは攻略の難しい水族館。駅からレンタサイクルを必死に漕いで辿り着いたそうです。また佐渡島の あげしま水族館(尖閣湾揚島遊園・水族館)でもレンタサイクルで金山の脇をすり抜けながら目的地に辿り着くという離れ業をやってのけています。

”公共交通機関” 縛りで数々の難所を制覇してきた思い出を語るめnちさん。「チャリで来た」を地で行く水族館巡ラー。

自家用車で全国各地の水族館を巡っているかめきちさんも、大変な思いで辿り着いた水族館の思い出が強いそうで、特に京都大学白浜水族から下道を走り続けて翌日なんと鹿児島のタツノオトシゴハウスまで行ってしまったという話が凄い! 辿り着いた施設の前の海が絶景だったそうです。

かめきちさんは京都から
車でまさかの翌日鹿児島入り。
中村さんは呆れ気味に
「ようやるわ!」な表情。

ミストラルさん
「僕が水族館巡りをしていて良かったと思えることは、普通だったら絶対行かないような場所に行けたりすることですかね。そこに水族館があってくれたからこそ訪れることができた場所って沢山ありますよ!」

例えば、沖縄県の八重山(黒島研究所)、奄美大島(奄美海洋展示館)…等々。そんなミストラルさんが非常に興奮したと語るのがドバイの水族館。

ミストラルさん
「ドバイの水族館は行ってみたらものすごいお金がかかっていて、しかも見たことない魚だらけでした。もう呼吸困難になるぐらい感動しました!素晴らしかったです。」

2-4 なぎさ水族館を攻略せよ…!?

次々と飛び出す3人のカリスマ水族館巡ラーのエピソードにただただ驚かされますが、実は客席にも水族館巡ラー界の猛者が大勢潜んでいるのがこの超水族館ナイトです。

ステージだけでなく
客席にも超凄い巡ラーたちが!

テリーP
「じゃあ、この3人に続いて次のステージに上がる人が客席や配信を見ている人からまた出てくるんでしょうね。」

中村さん
「と思うよ。僕が考える 『ガチな水族館巡ラーかどうか』 『マジもんの水族館マニアかどうか』 の一つの目安は なぎさ水族館にいったことあるかどうかです(笑)」

なぎさ水族館は瀬戸内海の小さな島(周防大島)の非常に不便な場所にある水族館。施設も展示規模も小さいのですが、見どころとしてはホンアワサンゴの展示や、屋内型としては日本最大のタッチプールなどが挙げられるそうです。ステージ上の3人は当たり前のように攻略済み。

めnちさんは40~50館ぐらい巡った頃に宮島水族館に行ったついでに訪問を考えたましたが、足を延ばすには遠すぎるとしては一度は断念。しかし、

めnちさん
「その後、90館ぐらい巡ってきて、いよいよ行かなければならなくなった。”義務” ですから! (笑)」

自宅から電車とバスを乗り継いで片道7~8時間ほどの旅。途中電車でまんまと寝過ごしてタクシーでリカバリー(1万6000円ぐらいかかったとか)するハプニングもありながら無事クリアできたそうです。かめきちさんは水族館巡りの初期段階に訪問。車で宮島水族館を目指すもリニューアル工事で閉館中であったため、そのまま周防大島へ。自家用車による長距離ドライブなので誤差の範囲か。

ミストラルさん
「僕がなぎさ水族館を訪問したのは水族館巡りも終盤に差し掛かった頃でしたね。既に100館は超えていて、もう行くしかないですよね。”義務” ですから!(笑)。島も遠いし、島に入ってからも遠かった記憶があります。」

なぎさ水族館、まだ攻略していない方は是非クリアして『ガチ巡ラー』の称号を得てみては?ちなみに水族館巡り界のラスボスと称されているのは小笠原水産センター。

ミストラルさん
「小笠原は船で片道24時間かかりますからね。さすがにそれなりの満足感や達成感がありました。水族館のためだけに小笠原に行く人っているんですかね?もちろん僕は水族館のためだけに行きましたけど!(笑)」

2-5 発表、日本で一番良い水族館…!?

水族館ブログをやっていると、しばしば友人・知人から「一番良い水族館ってどこ?」と聞かれるそうです。

ミストラルさん
「ついつい熱く真面目に答えちゃうんですけど、聞いてくる人は別に水族館好きというワケでもなくて、そこまでの答えを求めていないんですね(笑)。だんだんそれが面倒くさくなってきたので、”万人受け” する当たり障りのない答えを一つ用意しておこうと思いました。世の中のごく一般的な人たちが水族館に求めそうな項目をリストアップして、それポイント化してランク付けをしてみました。」

その項目がコチラ
(クリックor タップで拡大)
2位グループは新江ノ島水族館、鳥羽水族館、のとじま水族館、しまね海洋館アクオス、うみたまご、八景島シーパラダイス

そして、第1位 に輝いたのは…

名古屋港水族館!

中村さん
「俺、このランキング嫌いやわ~。 俺の関わった水族館もっと入れたって!」

客席:(笑)

前述の通り水族館マニアに向けたランキングではなく、あくまで「誰が行っても何かしら満足できるものがある」ことにフォーカスしたものなので、色々なモノが揃っている所謂 ”全部入り” の水族館のほど高ポイントを得やすい仕組みとなっています。中村さんは ”何か” が足りなかったり、弱点や不利な制約を抱えた水族館をプロデュースすることが多いので、ポイント化してしまうと厳しくなってしまうのですが、マニアを唸らせる展示、水塊に癒される展示はやはり中村さんの手掛けた水族館がNo.1でしょう。

「評価項目に ”水塊” も入れて!」と苦笑いの中村さん。ですよね(笑)

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2020/10/18