2020春(vol.35)~儚くて漂う大和の海月かな~
4.宇宙まで拡がる『天空のオアシス』
さて、話題はいよいよサインシャイン水族館の新クラゲエリア 『海月空感』 へ。新型コロナウィルスの影響で当初予定の2020年4月のオープンとはなりませんでしたが、公開が非常に楽しみです。
古事記では「久羅下」と書かれていましたが、
テリーP
「海の月が一番風情がありますね。」
読んで字の如く、クラゲが海に浮かんでいる様子が夜空に浮かぶ月に似ていることを表しています。「水母」は中国での表記をそのまま当てたもの。
中村さん
「サインシャイン水族館も “海の月” を採って『海月空感』としました。」
『海月空感』の目玉は横幅約14メートルのミズクラゲの展示水槽。国内最大級の大きさを誇り、水槽を大きく弧を描いた形状にすることで視界全体に無数のクラゲが広がるというもの。背景は加茂水族館がこだわった黒として、上から少しブルーがかった白色のライトでクラゲたちを照らす…。真っ暗な海の中(いや、宇宙かな?)でクラゲ達に包まれているような没入感が楽しめるそうです。
中村さん
「この水槽の前に立つと視界が全部クラゲになる。クラゲで『天の川』を作ってやったと思っている。僕としてはこれでサンシャイン水族館の『天空のオアシス』がついに宇宙まで広がったみたいな感じや!」
客席:(拍手)
ここで客席にいたサインシャイン水族館のクラゲ飼育担当・杉本巧樹さんもステージに加わります。
クラゲの寿命は数週間~数ヶ月。クラゲ展示の難しいところは常に入れ替えが必要で、そのためのクラゲをバックヤードで繁殖させ、展示できる大きさに育て続けなければならないこと。まして国内最大級の水槽ともなれば、個体数の維持は困難を極めます。杉本さんにとって、これから試行錯誤の日々が続きそうですが、
テリーP
「是非、大成功させて、カルカルのステージで報告会を!」
杉本さん
「良い報告が出来るように頑張ります!」
客席(拍手)
5.クラゲの新展示が続々誕生
サンシャイン水族館以外にも続々とクラゲの新展示が誕生します。
すみだ水族館、京都水族館 が共に開業後初の大型リニューアルに伴い新しいクラゲ展示エリアをオープンします。やはり新型コロナウィルスの影響で当初予定の5月のオープンとはなりませんでしたが、早くこの目で見てみたいです。
すみだ水族館の新クラゲ展示の目玉は長径7メートルの水盤型水槽。その上部に張り出したガラス床から覗き込むという斬新なスタイル。
京都水族館のクラゲ新展示は「クラゲワンダー」。注目は360度パノラマが楽しめるという直径6.5mのドーナツ型大水槽だそうです。
他、大規模リニューアルとまではいかないものの、期間限定や季節限定でクラゲの特別展示を行う水族館や、クラゲブームに乗ってクラゲ展示エリアの拡充を図る水族館も増えており、クラゲ好きにとって楽しみは尽きません。
後半の部より
後半はゲストトーク。世界一のクラゲ水族館こと 鶴岡市立加茂水族館 の 奥泉和也 館長 がステージへ。2014年秋以来、2度目ゲスト出演。前回出演時は副館長でしたが、今回は館長としてカルカルに登場です。…ただ、だいぶできあがってました。聞けば既に「6杯目」だそうで…。(驚)
◆ 奥泉和也(鶴岡市立加茂水族館・館長)
1964年、山形県鶴岡市生まれ。1983年に加茂水族館に入社。アシカの飼育員からキャリアをスタートさせ、その後、村上前館長の命を受けてクラゲの専任となる。クラゲの飼育・研究に熱心取り組み、加茂水族館を世界一のクラゲ水族館へと導いた。2015年に館長に就任。国際的にクラゲ飼育を牽引する存在として積極的な活躍を続けている。趣味はバンド演奏(ベース担当)で、クラゲドリームシアターでジャズライブを披露することも。
お酒が回っている分、理性のフィルター抜きにダイレクトにクラゲへの情熱をほとばしらせてくれるので、時折言葉にならずともその圧倒的なクラゲ愛に客席はどんどん惹き込まれていきました。これぞトークライブの醍醐味!
<next: 全開!奥泉ワールド!>