水族館プロデューサー 中村 元水族館プロデューサー 中村 元

イベントレポート

2023秋(vol.45)~水族館と歩んだ激動の15年~

■ 2組目:にっし〜さん & えるぱそさん

登壇者が入れ替わって2組目!

 

にっし〜さん/@24nishi
趣味の写真から水族館 ”沼” へ。
えるぱそさん/@elpaso_aqua
帽子がトレードマーク。
(水族館で見かけるかも!?)

にっし~さんは第2回目から、えるぱそさんは第7回目から毎回参加している常連さんです。

中村
「この二人は全国の色々な水族館に行きまくっている水族館マニアで、『えっ、なんでこんなところで!?』というような地方の水族館でバッタリ会ったりするんよ(笑)」

にっし~& えるぱそさん
「お世話になってます!!」

にっし~さんは、なんと超水族館ナイトの各テーブルに置かれていたイベント限定特別フード・ドリンクのメニューや出張イベント告知フライヤーなど、全て大事に保存していました。紙発券だった時代のチケットも全部取ってあるそうです。

 

これらのチラシ類を全部大事に保管しているとは…。大変恐れ入りました!

また、にっし~さんはフォトグラファーとして超水族館ナイトで撮影した写真をフォトブックにしています。

 

お台場時代、渋谷時代の
フォトブックを並べて紹介中。
フォトブックの懐かしい写真に思わず中村さんも身を乗り出す。

なお、50回記念に向けてフォトブック『(仮)超水族館ナイト大百科』の作成を進めているとのことで、希望者はにっし~さんまで問い合わせを!(超水族館ナイトに来れば会えます!)

 

Q:超水族館ナイトに参加し続ける理由は?

にっし~
「第一部で(超水族館ナイトの原型として)話に出たNHKのBS特番をたまたま見たんですね。僕は写真が趣味なんですけど、番組を見ていて水族館の生き物も被写体になるんだということが分かって、ちょっと水族館に行って見ようと思ったのが最初のキッカケでした。…で、水族館の情報をネットで調べている時に『あの番組でコメンテーターをしていた中村元さんという人がどうやらお台場でやるらしい』ということを知りまして、第2回目の時に初めて来てみました。」

その時にたまたま隣の席に座っていたのが、横浜八景島シーパラダイスのスタッフの方だったそうです。

にっし~
「その方と意気投合しまして、色々なお話をすることができたんですね。第4回目の時に初めて終演後の打ち上げに参加したんですけれど、当時はまだ鳥羽水族館にいた芦刈さんに『写真を撮るんだよね? どんな写真を撮るの?この人も写真を撮るんだよ』と、おたる水族館のスタッフの方を紹介頂いたり…。『このイベント参加しているとこんなに素敵な繋がりができるんだ!』と。それで毎回来るようになりました!」

中村
「超水族館ナイトに来ているお客さんの感想で『水族館で働いているスタッフと直接話ができるのが魅力だ』と言っている人って結構多いんよ。」

にっしー
「普通に水族館に行ったところでスタッフとお話しできる機会ってなかなか作れないじゃないですか。今では僕が水族館に行くと、超水族館ナイトで知り合ったスタッフの方が僕のことを見つけてくれて、何時のショーに出ますから写真撮りにきてくださいとメッセージを送ってくれたりするんです!』

  

超水族館ナイト最大の魅力は「人との繋がりが広がっていくこと!」と語るにっしーさん。

 

えるぱそさんが超水族館ナイトに通い続けている理由は単純明快!

えるぱそ
「面白いから!」

えるぱそさんは転職を機に水族館に行くようになったそうです。

えるぱそ
「転職をした時に『これで時間に縛られなくなったから、好きなゲームをして、好きなテレビを見て過ごせる。最高じゃん!』なんて思ったんです。でも、1ヶ月も経つとそれが退屈で苦痛に感じるようになってしまって…。」

その時、えるぱそさんの脳裏に思い浮かんだのが鴨川シーワルドのシャチのモニュメントでした。

えるぱそ
「子どもの頃に親によく千葉の海に連れて行ってもらっていたんですけど、その帰り道に必ず鴨川シーワールドの前を通っていたんですね。あれがフッと頭に浮かんだんです。それと父親が葛西臨海水族園の建設に携わっていまして、オープン前に一度入らせてもらったことがあったんです。そんなことを思い出してながら『そういえば水族館って行っていないなぁ、じゃあ行ってみよう!』と思ったんですね。でも、あれ?水族館ってどこにあったっけ?となりまして…。」

ネットで調べ始めて辿り着いたのが中村さんの WEB水族館 でした。

えるぱそ
「掲載されていた水族館のリストを見て『ええ~っ、水族館ってこんなにあるの!?』って(笑)。とにかく手始めに近いところからと思ってサンシャイン水族館に行ってみたんです。あっ、こんな面白いのがあるんだ! じゃあ次は親父が関わった葛西へ行ってみよう! なるほど、水族館が変わるとこんなに違うものが見られるんだ! じゃあ次はえのすいへ、次はしながわへ…と。行ってみた水族館全部が全部違うわけです。これは面白い!ということで水族館を巡り始めました。」

えるぱそさんが水族館情報の収集に利用していたのが当時流行っていたミクシィ(mixi)でした。

えるぱそ
「実は隣にいるにっし~さんからアクセスがありまして、『アナタも水族館で写真を撮るんですか?』といった感じで交流が始まったんですね。ある日、新江ノ島水族館に行ったら一番前に並んでいる人がチラチラとコチラを見てくるんです。なんだろう、怖い人かなと思ったらそれが にっし~さんで(笑)。ショースタジアムで『ひょっとして、えるぱそさんですか?』と声を掛けられました。」

そして、超水族館ナイトには、にっし~さんの誘いで初参加!

えるぱそ
「”水族館特ネタ大爆発” の時だったかな? 『こんな面白いイベントがあるんだ!』と思いました。じゃあ次も、また次も…という感じでずっと続ています。面白いから水族館へ行くし、面白いから中村さん話を聞きに行くんです。」

 

「面白い!」が原動力!

えるぱそさんはなんと過去の出張ナイトに全参加! 年1回大阪で行われている超水族館大阪ナイトも皆勤賞! 北の大地の水族館のツアーにも参加したそうです。それ以外にも中村さんの講演を見つけると足繁く駆けつけているとのこと。

えるぱそ
「例を挙げると、秋葉原にあったワンフェスカフェで中村さんが海洋堂の宮脇修一センムと行った『水族館フィギュアナイト』とか行きましたね。 あとこれは自慢話になるのですが足立区のギャラクシティにあるプラネタリウム・まるちたいけんドームで中村さんが講演したんですけど、そこに(超水族館ナイトの常連客では)唯一僕が参加しているんです!」

テリー
「完全に追っかけですね!!」

えるぱそ
「自他ともに認める中村さんの追っかけです!!」

中村
「ありがとう! なんか恥ずかしいぐらい嬉しいなぁ!」

 

えるぱそさんのあまりの熱量に
嬉し恥ずかしな表情の中村さん。

 

Q:好きな水族館は?

鯨類好きのにっし~さんが真っ先に名前を挙げたのが太地町立くじらの博物館。

にっし~
「海原に鯨類が泳いでいるのを見られるのって最高じゃん! 写真を撮っても自然の海なんですよね。あれはたまらないです!」

中村
「分かる! 分かるけど自然の海がええとなると別に水族館いらん話やん(苦笑)」

客席:(笑)

にっし~
「まぁまぁ(苦笑)。要するに ”本物の海” が感じられる水族館が好きということなんです!」

そう、サンシャイン水族館の大水槽「サンシャインラグーン」のように…。

にっし~
「サンシャイン水族館のオープンの日に行きましたけど、そこに切り取った海の世界があるんですよ! あれを見せられちゃうとスゲェー!ってなります。」

中村
「水塊や!(ドヤ顔)」

水族館で素晴らしい写真を撮り続けているにっしーさんですが、実はかなり独自の楽しみ方をしています。水族館で本格的に写真を撮る人たちは、ガラス面での写り込みを避けるために黒い服を着て行く人が殆どですが、

にっしー
「僕は写真も撮るけれど、生き物とのコミュニケーションを楽しみたいから敢えて明るい服で行きます! 赤とか黄色の明るい色は生き物に認識されやすいので!」

当然、写り込みは激しくなりますが、

にっしー
「それを工夫して何とかクリアしながら良い写真を撮るのが楽しくて! よく『どうやったら水族館で良い写真が撮れるんですか?』と質問されるのですが、僕からは『通いなさい!楽しみなさい!』 としか言えないです。(笑)」

えるぱそ
「僕は結論から言うと全ての水族館は好きなんです。それぞれの水族館には、そこでしか見られないもの、そこでしか体験できないものがあるので。あと、超水族館ナイトで繋がった ”濃い人たち” は、水族館での色々な楽しみ方を知ってるので、それを教わって自分でも実践してみるんです。例えば、にっしーさんからは鯨類はこんなふうにすると反応してくれるよというのを教わって、実際にやってみると本当に反応してくれる。すると居合わせたお客さんが『あの人凄い!トレーナーさんかな!?』なんて驚いてくれて、ちょっと得意になっちゃうんですよね(笑)。イルカは反応してくれた。じゃあ アザラシはどうか? トドはどうか? 同じように反応してくれた! …なんて、そんな面白い遊びもできたりします。」

 

「にっしーさんは鯨類とのコミュニケーションの取り方を伝授してくれた師匠です!(by えるぱそ)」

 

えるぱそ
「どの水族館に行ってもその水族館なりの楽しみ方がある。だから基本的に水族館は ”全部好き” です! ただ、気に食わない水族館、気に食わない展示は結構あります!」 

客席:(笑)

そこは中村さんの ”追っかけ” のえるぱそさん、水族館の本質から外れた展示にはSNS等にかなり辛口の評価を投稿しています。

中村
「えるぱそさんは結構過激なことを書いとるよ! オレがよう書かんわってことまでズバズバ書いてる(苦笑)」

えるぱそ
「まぁ、入館料払ってますからね。もっと言えばその水族館に行くのにも時間とお金がかかってますし。誤解のないように言いますと、どの水族館も飼育スタッフの皆さんは一生懸命で生き物に対しても真摯に向き合っていると思っています。ただ水族館を経営する上の人が………だとね。」

客席:(笑)

中村
「最近のメディアは ”水族館” と呼ぶよりも ”アクアリウム” と呼んだ方が明らかに適切な施設を、わざわざ『都市型水族館』と表現したてみたりね、水族館ではないものを水族館と言ってしまったらそれはメディアが嘘をついていることになる。今はユーザーが発信できる時代なので、えるぱそさんのように悪いとこは悪いとハッキリと言ってくれる人は、今後の水族館業界のためにも必要なのかもしれないね。」

 

超水族館ナイトに通い続けて ”目の肥えた” ヘビーユーザーのシビアな意見は非常に貴重!

 

…といったところで、盛り上がった第二部もお時間が。

中村(終演の挨拶)
「みなさん本当にありがとうございます。超水族館ナイトはあと5回頑張りますし、水族館の仕事もあと5年はすることが決まってるんです。これからも皆さん集まっていただければ有難いなと思っております!」

客席:(大拍手)

 


おわりに

このイベントレポートを書くにあたって、私も過去の超水族館ナイトで記したメモ書きや写真を見返してみたのですが、改めて15年45回分の蓄積は掛け値なしに日本の水族館史に誇れるものだと感じました。

水族館も人生も楽しくなる唯一無二のトークライブ! 最終回(第50回)までみんなで盛り上げてきましょう!

 

(文&写真:須釜浩介) 

 


打ち上げ

終演後に行われた打ち上げ(2次会)様子を少しだけ。

 

ジャンケン大会の景品。
今回もたくさん集まりました。
貴重な鴨川シーワルドの昔のお土産
(ねこさん提供)
盛り上がりました!
2023/10/14