2024春(vol.46)~命の輝く水族館〜
Q: 水族館は真の命の輝きを表現できているか?
冒頭でもチラッと触れましたが、つかささんもあきさんも水族館だけでなくフィールドでの撮影も行っているそうです。
銀鏡つかさ
「僕は海に潜っての撮影はしないんですけど、陸の自然の撮影には良く行っています。今年も北海道で4日ぐらい雪山に通ってクマゲラを探したり、沿岸でワシを探したり、アザラシを観察したりしました。」
一方のあきさんは自然の海の水中撮影に目下夢中だそうです。
あき
「僕は水族館から写真を始めたんですけれども、写真で生き物の魅力を伝える上で、水族館の生き物って果たして正しい形で展示されているのかという疑問が自分の中にありました。そもそも本当の魅力を知らないんじゃないか、野生を知るべきだとの想いから僕は海に入り始めたんですね。」
水中撮影を始めたあきさんは水族館で展示されている生物と野生生物では全く違うことに驚かされたそうです
あき
「この写真はミナミハンドウイルカなんですけども、水族館で見たイルカとは筋肉の付き方も全然違うし、目のギラつき感も凄くて非常に尖った印象の目をしているんです。」
よくよく見ると穴だらけ傷だらけ。 近海にいるダルマザメの食痕であったり、また、じゃれ合いなのか喧嘩なのか仲間同士で付けたと思われる歯型の傷も多数見られるそうです。
あき
「今がちょうどシーズンなんですけど、子育てや繁殖目的で北の方からザトウクジラがやってきます。この写真の2頭は親子で遠近法で手前にいる個体がメッチャでかく見えちゃうんですけど、手前が子クジラ、億(下側)にいるのが親で、親のサイズが13メートルぐらい。町で見かけるバスと同じぐらいのサイズ感でした。」
中村
「これ、楽しかったやろ?」
あき
「メッチャ楽しかったです。なんというか恐怖心と好奇心が入り混じる撮影なんですよね。子どものクジラといえど体重10トン、親だと30トンとかなので、ぶつかったら大怪我をするかもしれないんですけど、近くで見られた時はやっぱりテンション上がりますね。」
中村
「…で、つかささんは海には潜らないの?」
銀鏡つかさ
「潜りたいですけど、潜ったらきっと楽しすぎて水族館にあんまり行かなくなるんじゃないかなぁと。あきさんと同じで本物を知っておきたいという気持ちは凄くあります。本物を知った上で水族館を撮りたいという気持ちはあるのですが、今は仕事で水族館を撮影しているので、葛藤はありますが今はひたすら水族館と向き合おうと思います!(笑)」
あきさんの水中写真を見て思ったことは、やはり「大自然は凄い!」ということ。水族館展示における ”命の輝き” が、野生生物の ”命の輝き” にどれだけ迫れるか。これからの水族館が至上命題と言えそうです。
中村
「第二部は銀鏡つかささんとあきさんに出演してもらいましたが、二人の写真をもっともっと見たかったと言う人もおるやろうけど、超水族館ナイトはトークライブなのでトークを優先させてもらいました。写真展をはじめ色々なイベントも行っている二人なので、今回の超水族館ナイトを機にそちらにもぜひ顔を出してあげてください。そして二人を育ててあげてください。」
テリー
「僕たちもみなさんに育てられましたからね!」
中村
「育てていだきました。今日はありがとうございました!」
客席:(拍手)
おわりに
中村さんは「良い水族館とは社会に良い影響を与えられる水族館である」という話をよくしてくれますが、良い影響を与えられる水族館はやはり命が輝いていなければならないということを強く感じました。大衆文化となりつつある日本の水族館で命が輝けば大衆の(日本全体の)命もきっと輝くはず。水族館の未来とその可能性に大いに期待しています。
この超水族館ナイトは水族館カルチャーを切り口に明日からの人生が豊かになるヒントが散りばめられた “命が輝くトークライブ” です。50回で終了となる超水族館ナイト、今回(vol.46)を終えて残り4回となりました。命輝きたい人はぜひ会場へ!
(文&写真:須釜浩介)
おまけ(打ち上げの様子)
超水族館ナイトでは終演後に毎回打ち上げが行われています。
水族館好きの仲間を増やしたり、水族館の ”なかのひと”と繋がったり(超水族館ナイトには全国から多くの水族館スタッフが参加しています)、もちろん中村さんと話をしたり、交流の場としてご活用ください。